ねえ、どれがいい?
読んだ時期 | 6月 |
対象児童 | 小1 |
所要時間 | 5分~ |
タイトル | ねえ、どれがいい? |
著者 | 作:ジョン・バーニンガム 訳:松川 真弓 |
出版社 | 評論社 |
出版年 | 1983年初版 2010年新版 |
ぞくぞくくりだされるありえな~い選択!?長い間愛され続けてきたベストセラー絵本の改訳新版。さらによみやすく楽しくなりました!
新年度1回目の読み聞かせ会、せっかくなので1年生に思いっきり楽しんでもらおうと選びました。
どれがいい?と次々に究極の選択が現れます。どれもいや過ぎて悩むもの、どれも楽しそうで選べないもの、様々な問いかけに子どもたちはどんどん意見を言ってくれます。
ただ読むだけなら5分もかかりませんが、みんなの意見を聞いているといくらでも時間が過ぎますので、時間調整にも使えそうな一冊です。実際今回は8分ほどかかりました。
1年生1クラスを対象として読みましたが、みんなが興味津々で絵を見たがり、どんどん近づいて来ようとしてちょっと揉める場面もありました。楽しんでくれたのはとてもうれしかったのですが、もうちょっと少人数の方がじっくり楽しめるかもしれません。
しっぽのきらいなネコ
読んだ時期 | 2月 |
対象児童 | 小2 |
所要時間 | 6分 |
タイトル | しっぽのきらいなネコ |
著者 | 南部 和也 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 2005年(絶版) |
まっくろなネコがいました。
ある日シッポのさきが黄色くなり、それがシッポ全体に広がっていくと、シッポはネコに逆らって勝手に動くようになりました。ネコは、右に回り左に回りして、自分に従わせようとシッポを追いかけましたが、かないません。ついにはお仕置きしようと、仲間のネコに噛みついてもらいますが、ギャオーン、シッポと一緒に叫び声をあげてしまいました。
異質なもの同士は共存できるものかをテーマに描く、寓話的作品。
「2月22日はねこの日なんだよー」と言うと「なにそれー!?」と知らない子もいたようで、しばらくねこ談義をしました。
というわけで2月に選んだ本なのですが、もともと小4に読むつもりだったものを急遽小2に読むことに。結果、伝わりづらかったかなーという印象。
自分の嫌いなところ・コンプレックスも自分の一部なんだよね、受け入れるのも悪くないよ、ということが伝われば良いなという気持ちで選んだのですが・・・低学年だとそもそもコンプレックスがあまりないですよね。
中学年以降に読むのが良いのかなと感じましたが、読後に「この子達、最初は仲が悪かったよね」と話してくれる子もいました。友達同士とか、そういうものに置き換えて考えてくれたのでしょうね。
この作者の南部和也さんという方は、ねこの獣医さんなんですよね。そしてねこの絵本や児童書をたくさん出してらっしゃって、「ネコのタクシー」なんかがとても有名です。
おばけきょうだい はじめてのハロウィーン
読んだ時期 | 10月 |
対象児童 | 小2 |
所要時間 | 6分 |
タイトル | おばけきょうだい はじめてのハロウィーン |
著者 | 松田奈那子 |
出版社 | 小学館 |
出版年 | 2019年 |
今日はハロウィーン。
イチ、ニイ、サン、ヨンのおばけきょうだいは、仮装をした子どもたちといっしょに街へでかけ、「トリック オア トリート!!」
元気な声をひびかせて、初めてのハロウィーンを過ごします。
仲良くお菓子をもらって、空を飛んで、みんなとっても楽しそう。
次のハロウィーンも、きっとまた遊べるね!
かわいいおばけきょうだいが、みんなと一緒にハロウィーンを楽しみます。
内容的には当たり障りのない感じ・・・というのが正直な印象ですが、絵がかわいらしいので怖がるようなこともなく、安心して小さな子に読める絵本です。
巻末に絵描き歌や工作がたくさん収録されています。
私は紙とペンをたくさん持って行って、読み聞かせ後にみんなでお絵描きをしました。材料と時間があるなら、工作を楽しむのも良いと思います。
やきざかなののろい
読んだ時期 | 9月 |
対象児童 | 小4 |
所要時間 | 6分 |
タイトル | やきざかなののろい |
著者 | 塚本やすし |
出版社 | ポプラ社 |
出版年 | 2014年 |
「ぼくは、やきざかながきらいです! でも、おすしのさかなは、だいすきです。夕食がやきざかなだと、とても残念です。ぼくは、食べ散らかして、やきざかなを食べたふりをしました……」
え〜っ、そんなことして、いいの?!
そうなのです、よくないのです。
きらわないでほしいやきざかなが、お風呂にも、寝床にも、外にも、どこでもついてきて「きらわないでくれ〜 ちゃんとたべてくれ〜」というのです。さあ、どうなっちゃうんでしょう!
やきざかなののろいは、こわいよ〜。
秋と言えばサンマ!という安易な発想で選びました。
まず表紙の絵のインパクト、タイトルのインパクトでがっちり子どもの心を掴みました。
さらに「やきざかながきらい」というワードから始まり、ざわめく子どもたち。
普段は「好き嫌いせずに食べなさい」と言われてる子どもたちにとって、きらいなものをきらいと言う絵本は衝撃かもしれませんね。
食べ散らかされたやきざかながどこまでも付いてくる・・・という摩訶不思議な展開で大ウケの本でした。
何日か経ったあとも「食べてくれ~」というセリフを真似していた子がいたそうで、ちょっとうれしくなりました。
これは学年問わず、楽しめる一冊だと思います。次は低学年でも読んでみたいですね。
つきのばんにん
読んだ時期 | 9月下旬 |
対象児童 | 小4 |
所要時間 | 6分 |
タイトル | つきのばんにん |
著者 | 作/ゾシエンカ 訳/あべ弘士 |
出版社 | 小学館 |
出版年 | 2021年 |
「つきのばんにん」とは、お月さまを見守る大切なお仕事のこと。
新しい「つきのばんにん」に選ばれたシロクマのエミールは、森の生き物たちにとってなくてはならない月の光を守るため、毎晩かかさず月のお世話をしていました。
ところがある日、エミールはおかしなことに気がつきます。なんとお月さまが、どんどん、細く、うすくなっていくのです!
あの手この手でまん丸に戻そうとするエミールですが、月はどんどん細く、まるで糸のようになっていきます。はたして、お月さまは元どおりのまんまるに戻るのでしょうか。
中秋の名月の頃に読みました。
小学4年生はちょうど理科で月や星について学んでいた頃ですので、それも選書の理由の一つです。
月の満ち欠けについて知っている子達ですので、エミールのドキドキは伝わりにくかったかもしれません。もう少し小さい子に向けて読んだ方がお話の世界に入り込めたのかなとも思いますが、とにかく絵が美しいのでオススメしたい一冊です。